俺の特別な生徒。
1章・運命の始まり

出会いの入学式

俺にとって4月とは憂鬱で仕方がない季節であった。
俺は倉智仁といい、波岡学園という私立高校で教師をしている。

波岡学園のレベルはまぁまぁいい方で、俺は教えがいを感じているのだが…。

単調な毎日では俺もさすがにつまらない。
なんてったってまだ若い。俺は25だ。

なんでこんないい年した男が高校生の相手してやらなきゃなんねぇんだ、という不満に襲われる事もあるが、その時は必死で耐えている。

俺が教えているのは数学で、生徒から一番嫌われやすい教科だ。
でも何故か俺の授業のときは皆真剣に話を聞いて、ノートを取っている。

その理由は、俺の容姿にあると、俺は自覚している……。
俺は世に言うイケメンらしい。

そう言われて悪い気もしないが、モテもしないから変な感じがする…。
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