俺の特別な生徒。
2章・好きな人の幸せ

教官室の姫

あれから鳴瀬はしばしば数学教官室に訪れるようになった。

休み時間になると、鳴瀬が現れる。

「先生~暇ぁ!」

「俺は暇じゃないんだけどね?」

とか言いながら本当は嬉しい。
鳴瀬と入れる時間が楽しくて仕方ない。

俺にとって鳴瀬は姫のように可愛い。

……って、俺まじで阿呆みてぇ。

「先生聞いてよ!ユウ君がねぇ…」

あ……。
また"ユウ君"の話だ…。

鳴瀬が来てくれるのは嬉しいが、"ユウ君"の話をされるのは正直辛かった。
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