流華の楔
「主人はいるか、御用改めである!」
近藤の一声で、惨劇はまもなく始まる――…
「皆様、新選組が来ま――っ!」
池田屋主人は二階にいるであろう“誰か”に新選組のお調べを知らせようとしたが、近藤に殴られ気絶。
「よっしゃ!」
「こっちが当たりかぁ」
嬉しそうな永倉と、面倒臭さげな藤堂。
和早の表情は見る見る曇っていく。
「(……兄上…)」
少なくともこの主人の一言で、長州藩士の存在が明らかになったのである。