流華の楔




「ん…」



寝込む沖田の額に濡れた手緩いをあてると、幾分表情が和らいだ。



「それほど熱は高くありませんね……数日安静にしていればすぐ治りますよ」


「おお」
「よかった」


胸を撫で下ろす二人。



「高温多湿の中斬り合いをしたせいでしょうね。軽い熱中症です。水分と塩分を適度にとれば大丈夫かと」


石田散薬は必要ありません、と付け加える。




「よっしゃ、塩分だな!」

「んー、塩ってどこにあったっけ…」



「………」



何となく心配になった。あとで別の人にも頼んでおこう。
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