流華の楔
贈り主不明の簪
僕は僕が嫌いになりました。
ははははははー……は。
(沖田、心の呟き)
「なーんであんなことしたんでしょうか。なんであんなこと思ったんでしょうね僕」
熱とは恐ろしいものだ。
人の人格と思考までもを変えてしまうのだから。
おかげで朝食をとるのも憂鬱だ。
「あーあーもう最悪ですよ。女嫌いの僕が! あんなことを!」
熱なんて出すのではなかった。
ずかずかと自分らしくもない足音をたてながら廊下を進む。