流華の楔
「…でも、本当に沖田さんですかね?」
口元に指を宛がい、和早は「うーん」と首を傾げる。
己の言うことが信用されていないと思ってか、土方はいささか不満げ。
「いいから行ってみな。俺の勘は当たるぜ」
「…はい。助言、ありがとうございます」
そう言って、障子に手をかけた時。
「和早!」
土方の呼び止める声に足をとめ、再び彼に向き直る。
「何でしょう?」
「その…なんだ…」
心なしか、気を張っているように見える。
いつもの射るような視線に不相応な、揺れる瞳。