流華の楔
自室で眠っていた沖田を半ば無理矢理起こし、和早は再びあの質問を投げ掛けた。
「違いますよ」
またこれだ。
真面目な顔で言うものだから、危うく騙されかけた。
沖田の場合その言葉が嘘か真か見破るのが難しいため、集中して心を読む必要がある。
「………」
「な、なんですか」
「嘘はいづれ露見するものです。沖田さんでしょう? これを置いていったのは」
簪の飾りの部分を、沖田の目前に晒す。
「……」
ぐ、と唇を噛んだ沖田は、観念したように「そうですよ」と溜め息付きで認めた。