流華の楔
哀しい枷
間違ってはいない。
自分の選択は、決して間違ってはいないはずだ。
たとえ近藤が反対したとしても、押し切ったと思う。
だから、事後報告した。
「…何だと!?」
案の定、近藤は怒りにも呆れにも似た声を上げた。
多分、呆れの方が強いだろうか。
「規律を重んじなければならんお前が、規律を破らせるとはな…」
「………」
今は、どんな言葉も受け入れよう。
殴られるならば、大人しく殴られよう。
どんな咎めも、甘んじよう。
それでも、自分がした選択に後悔したりはしない。
「何かあったら俺が責任を――」
「とらなくていい。いいかトシ、この話は内密にしておけ。無論、総司や斎藤らにもだ」
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