流華の楔





そう言い、しばらく無言になった有真。
和早はそれを期に口を開いた。




「……、殺しますか?」





明確な敵と化した己を。


自らの意志で新選組に残ることを選んだ己を――








ぽつりと呟かれた一語が、有真の涙腺を緩ませた。






「…もう、いいんだよ!」



声にならぬ叫び。

有真の頬を流れ落ちる涙。





「これ以上、君が苦しむ必要はない…!」




はっきりと。
和早の耳に届いた言葉。







“君が苦しむ必要はない”



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