流華の楔



ふわり。
俯く和早の顔を包む大きな手。



「近藤さんや土方さんに黙っていれば、問題ないんだろう?」



彼女を見つめる、真摯な瞳。




「………」



保証は。
貴方が裏切らない保証は。




ないでしょう。





「戻りません。これが私のけじめでもあるので」




そう言った、刹那。


掌が離れて。




頬に、痛みが走った。




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