流華の楔
沖田の食べかけの団子を「びし」と和早に向けた。
「ふふ。そりぁ、ね」
意味深。
良からぬ企みでもくわだてていそうな顔である。
「……あの?」
残りの団子を食べきり串を楽しそうに弄ぶ男を前に、少々の苛立ちが募る。
が。
沖田の唇が動くと同時に、和早の顎を彼の指がくいと持ち上げた。
「噂ですよ、噂」
苛々苛々。
答えどころではない。
「噂…ですか」
和早は、その手に新たな団子を握らせることでそれを回避した。
.