流華の楔






「こ、これで全部です……。ホントすみません……」




「ああ、ありがとう。話してくれて」



沖田さんは首を絞められても口を割りそうにないし助かったよ、と付け加え。






「では俺達はこれで――」


「待て」




そう言うと、平隊士はびしっと固まる。

横の沖田が面白そうに腹を抱えているのがちらと見えた。





「金輪際この噂をしないように。もし広めたら……わかっているな?」



「ははははは、はい!!」



よし、いいだろう。

そそくさと去っていく彼らを見送りながら和早は一人頷いた。



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