流華の楔





「どうですかねー。人の噂も七十五日っていいますけど、流れたものはそのまま垂れ流し状態になるんじゃないですか?」



「…そう、ですかね」



そう言われてみれば、と。
和早の顔にも焦りが見えはじめる。





「ま。新選組みたいな男所帯にはそういった噂がツキモノですから」



和早が新選組を離れていた間、いつにも増して土方が荒れていたという。

帰ってくるなりあの反応。


さらに、“斎藤と一緒だった”という事実が拍車をかけた模様。





最悪。



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