流華の楔






「でも、他意ねぇ……。あるといえばあるかもしれません」



ぼそっと呟かれた何気ない一言が耳に留まる。

和早はふっと笑って沖田を見据えた。




「殺意とか?」


「……僕を何だと思ってるんです?殺人鬼とでも言いたいんですか」



張り付いた笑み。

彼とのやり取りでは定番と化しつつあるそれも、悪くないなと思う今日この頃である。




「あながち外れてもいないように思えますけど」


「死にたいの?」





終いには、沖田の特徴である“ですます調”が消えた。



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