流華の楔




見た目も性格も他の女より格段に綺麗で。



それでいて、強い。



和早は、今まで土方の相手をしてきた女と全く異なる性を持っていた。




使命を持つ女がこれ程までに綺麗なものなのかと、初めて知った。





好きな時に好きなだけ女を選んできた土方が、初めて選んで欲しいと思った女。




いつだったか。


それを自覚して、思わず自嘲したのを覚えている。






“俺らしくない”




何度そう思ったことか。







けれどそれが、真実であり、望みだった。





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