流華の楔
「……今更ながらに、お前が敵じゃなくてよかったと思うよ」
この女は、味方にあってこそ妙薬となりうる。
土方は不思議な感情を抱いた。
「お前が戻ってきて、本当に良かった」
数多の事情を抱える彼女が、この新選組に現れた事さえ奇跡なのだろうかとも思った。
今、自分は盛大にニヤケているだろう。
和早が不審がっているから間違いない。
「悪い、喋りすぎた。ククッ」
和早がいれば、新選組はどこまでものし上がれる。
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