流華の楔
内藤を一室に案内する。
芹沢は案の定どこかに出掛けているそうで、応対するのは近藤になるだろうとのこと。
だいたい予想はしていたが…。
「内藤様、どうぞこちらへ」
「うむ」
「近藤が来ましたらまた案内いたしますので、お待ちください」
そこまで言って、視線を後方に向ける和早。
「(盗み聞きか…)」
なんだかここに来てから苦笑いが増えた気がする。…いや、格段に増えた。
「………」
数は……五人。
まず永倉、藤堂、原田。
この三人は目をつぶっていてもすぐわかる。
気配を消すのが上手いあとの二人は、斎藤と沖田あたりだろうか。