流華の楔
「……?」
口論に混じり、何かが聞こえる。
「…足音? お二方とも静かに!」
「「あ、すまん」 」
「………」
片耳を地に添える。
足音の数からすると人数は…。
「十人以下……少数精鋭できたか」
「何でわかんだ?」
「何でもです」
「…うっわマジだ! すげーな新崎、敵さんまだあんな豆粒なのに!」
餓鬼か、と原田は思った。
けれど槍を肩にかけ遠方を見れば、確かに豆粒が近付いてくることに気付く。
「っし、全員下がれ!」