流華の楔



「ふ、あはははっ! まったく……本当にあなたは予想外なことばかり言いますね」



「そうですか? 普通だと思いますよ、これが」




他人を理解することで、自分を理解してもらうことができる――以前の自分だったら考えられない思考だが、容保と出会ってからそれがわかった気がした。




「普通ね…。確かにそうかもしれません。でも、僕にとっては普通じゃないんです」



沖田の顔に、諦めと嘲りが混じったような影がさした。



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