流華の楔
***
「どういう事だ! あれは俺が出るはずだった戦だろーが!?」
土方の室に、怒声が飛ぶ。
会議が終わってからすぐ、土方は抵抗する和早を強引に連れ込んだのである。
「それで、何か問題でも?」
「ああ大有りだ! 今回の戦ばかりは危ないかもしれねぇのに…」
「……」
沈黙した和早に、土方の表情が険しくなっていく。
「お前、まさか…」
死ににいくつもりか?
か細く紡がれたその言葉が、静寂な室内に酷く響いた。