流華の楔
土方は「馬鹿だな」と呟いた。
「俺は生涯お前と生きるってことしか考えてなかったぜ。あ、つまり結婚な」
「……は?」
「戦争が終わったら言おうと思ってたんだが……どうしてくれんだよ、おい。計画が台無しだ」
と、和早の額を軽く小突く土方。
…仕置きのつもりか。
「ですが、生きて帰れなかったら意味がないのでは?」
「はあ? 生きて帰るんだよ」
「あのですね。怪我人のあなたが無傷でここまで来れたのは奇跡であって、次はそうはいきませんよ」
悪化し続ける戦況、己の負傷。
この場では何とか身を隠せているが、ひとたび表へ出れば格好の的となるだろう。
つまり。
「十中八九、死にます」