流華の楔
「……わかってますよ。なんとなく、わかってたんですけどね」
沖田は微かに口角を上げ、すぐに下ろす。
寝起きと二日酔いを含めても以前ならわざと表情を崩すくらいはできたはずなのに、そうできないのは隠せぬ哀しみがあったからだ。
「酔ったふりして何とかごまかそうとしたのにいつの間にか本当に酔うし」
「そういえば、暗殺計画がどうとか……あれは実行に?」
「うつしませんよ! 冗談ですから! 多分!」
憤慨しつつふらりと立ち上がり、痛む頭を押さえ歩き出すと、何故か肩を斎藤に掴まれた。
「…、なんですか?」
「ひとつ言い忘れていたのだが…」
え、なに、怖いのだけど。