流華の楔
折れた一角
「……新見さんが切腹させられるかもしれないって、本当ですかそれ?」
「マジも大マジだっつーの!」
芹沢でなく、新見。
そこが重要なのだと永倉は言う。
「なんでもこう、じわじわと芹沢さんを追い詰めて最後にガッとやっちまうんだと」
「あー。大雑把な説明ありがとうございます」
完全な棒読みである。
「斎藤テメー…表出ろや!」
「はははは」
深刻な問題をさておき遊び始めた者たちを余所に、和早は眉を寄せ思案に耽る。
「(……資金は大多数あの人が集めていたらしいから、当然といえば当然なのだろうか…)」
芹沢が目立ち過ぎただけで、新見も悪事を働いていた。
切腹に異義を唱える理由はない。