流華の楔
自分たちは少なからず似ている。
いい意味でも、悪い意味でも。
「土方さん」
「……ん?」
ぶっきらぼうに返事をする土方。
「強くなれますか、私たち」
「お前は十分強いと思うが…?」
「その強さじゃなくて、精神の方です」
影としての強さ。
剣士としての志。
十数年を以てしても鍛えきれなかったもの。
「……なれるさ、俺たちなら」
土方は、不敵に笑う。
それは、和早が最も欲しかった言葉だった。