流華の楔
「で? 何考えてたんですか。やっぱり、和早さんにヨコシマな想いを…」
「バーカ。違うって」
とゆうかヨコシマって何だ。
純情なこの想いのどこが邪だと言うのだ失礼な。
と、藤堂は内心沖田に突っ込む。
「何だ。ぼーっとしてたのでてっきり恋煩いかと思いましたよ」
期待して損しました、とつまらなそうにぼやく。
沖田の予想もあながち外れていないのだが、癪なので認めない。
「……総司、お前家紋とかに詳しい?」
「え? まあ、ある程度は」
「じゃあさ、こういうの知らないか」
藤堂は余っていた紙にさらさらとあの家紋を描き出す。
「こ、これは……」
「知ってるのか!?」
少し……いや、正直かなり期待していた。
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