流華の楔


こんな話をするつもりではなかったのに。




どうしてこんなに感傷的に語ってしまったのだろう。






この人に聞いて欲しかった?


知って欲しかった?





過去の過ちを、
誰かに預けたかった?





だとしたら、お門違いにもほどがある。






「ごめんなさい。突然変なこと言って。忘れてくださ――」




焦って立ち去ろうとした時、不意を衝かれた。
 


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