さくら ―余命3年の恋―
出逢いは突然に
桜の下で
───蒼い空の下。
優しい春風に吹かれ、景色の綺麗なこの一帯まで1時間ほどかけて到着した。
私…、桜庭美桜(サクラバミオ)はつい数週間前入学したばかりの高校1年の美術部員。
歓迎会も兼ねて、先輩方がこの親睦会を設けてくださった。
「美桜、見てみてっ!!」
「ん?」
「超かわいいーっ!!」
バスの中で隣に座る友達、璃子の指差す方を見れば、遠くの牧場の羊がいた。
「もふもふしてそうで触ってみたいよね」
「うんっ!!
でも、画題にするには難しそうだなぁ…」