さくら ―余命3年の恋―
美しく咲き誇る桜。
こんな女の子になってほしいという願いを込めて、お母さんは私を“美桜”と名づけた。
───実際は、こんな綺麗な女の子になれてないけど。
「うん、俺も好き」
「…よく見に来るんですか?」
「どうだろ?」
「訊き返されましても………」
飄々とした雰囲気を纏った彼は、顔は笑っているものの瞳の奥は笑えていない気がした。
独特の雰囲気で、初めて逢うタイプの男の子。
「そろそろ時間じゃない?」
「…はい?」