さくら ―余命3年の恋―
初対面じゃない。
知っている顔。
そう、ちょうど1週間前…
この絵に描いた桜の下で出逢った………。
「落としたよ」
「あ…ありがとう」
私が落としたカバンを拾って、落ちた弾みに出てしまった絵を眺める。
「…やっぱり、好きだな」
「えっ…」
「すっかりあんたのファンみたい」
そう言って、笑いながら私に絵を手渡す。
受け取りながらも、まだ少し状況が理解できていない。
「えっ、2人とも知り合いなの?」
「まぁ、ちょっとね」