さくら ―余命3年の恋―



千秋も驚いている。


私はやっと、状況が理解できてきた。



「佐倉くん…っていうんだ」

「蒼空でいいよ。あんたは?」

「桜庭………」

「名字は知ってる」

「…美桜。
美しいに桜で、美桜」

「どうもご丁寧に漢字まで」



また笑われた。


私、何か変なこと言ってるのかな…。



「草冠に倉って方の蒼いに空。
蒼い空って書いて、蒼空」

「蒼空…くん?」

「年下だし蒼空でいいよ」



───ああ、年下なんだ。


千秋と同い年なのかな。



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