さくら ―余命3年の恋―



「さて…と。
美桜、どうする?」



無事到着し、昼食を食べ終え、今は自由に画題を探してスケッチする時間。


大きく伸びをしてから、璃子が欠伸混じりに訊いた。



「どうする?って訊かれましても。
それは自分で決めなきゃダ………あっ」



言葉を途中で遮った。


思わず違うところに気をそらしてしまい、最後まで言えなかったのだ。



「桜………」



どこからか、風に乗って桜の花びらが舞ってきた。


その花びらを見て、考えを巡らせる。



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