さくら ―余命3年の恋―
当時中学生だった私は転校するのが嫌で、お父さんは仕事の都合上こっちへはこられない。
というわけで、今も私とお父さんは変わらず東京の大都会…とはいかなくとも、田舎とは言えないところに2人で住んでいる。
「…よし、こんなもんかな」
デッサンを描き終え、立ち上がって絵と桜を見比べてみる。
───自画自賛とは、このことか。
自慢じゃないが、なかなかうまく描けている。
我ながら上出来だ。
「うまいじゃん」
「ほへっ!?」