さくら ―余命3年の恋―
───だ、だ、誰っ!?
声をかけられた瞬間、私は反射的に奇声を出してデッサンを隠しながら後退った。
「…そんなに驚かなくてもいいのに。
まだ幽霊じゃないんだから」
「す、すみません………」
“まだ”という言葉に何となく引っ掛かったけれど、今はそれどころじゃない。
誰もいないと思っていたのに、いきなり同年代ぐらいの男の子が声をかけてきたのだ。
「あ、あの………、いつからここに………?」
「う~ん、あんたがくるずっと前かな」
───ずっと見られてたんだ。