さくら ―余命3年の恋―



そう思うと急に恥ずかしくなった。


自分でも顔が赤くなっていくのが分かる。



「好きだよ」

「はいっ!?」

「あんたの絵」

「あ………」



恥ずかしい………。


またすっとんきょうな声をあげてしまった。


───でも、いきなり「好き」とか言い出す方が悪い。


主語と述語がなってないんだから。



「ここの桜描いてたの?」

「………はい。
花びらにつられて辿り着いたんですけど、あんまり綺麗だから見入っちゃって」



改めて、桜を見上げる。



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