天邪鬼
「ちぃ」

どのくらい寒い駅でじっとしていただろうか


暖かくて大好きな声が聞こえた
顔を上げると当然

「遊佐...」

がいる



「帰ろ」

優しい優しい声
別れた方がいいかとか悩んでいてもこの声を聞くとそんなことは出来ないと思い知らされる



でも私はアマノジャクだから簡単に首を縦に振るなんて出来なくて

「待って...」
「ちぃ帰ろ」
「今は駄目」


それでも遊佐は私の言って欲しいことを言ってくれる

「ごめん...遊佐」
「ちぃ帰るよ」

例え何度拒絶しても



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