天邪鬼
「ちぃ俺こそごめん
考えなしだった

俺、今日痴漢と間違われて酷い目にあって、混乱してた

真犯人は逮捕されたからいいけど、あのまま冤罪で逮捕されてたらどうしようと思った」


遊佐は私を離すと車のエンジンをかけて暖房をいれる

寒くない??と聞かれて私は首を横に振った

そして遊佐はまたもう一度抱きしめなおしてくれる



「だからちぃ見たときひどく安心して泣きそうになってさ
でも泣くと格好悪いし

ちぃに八つ当たりしてごまかそうとした

ごめんな


今ちぃが身篭ってるって気付いてやれなかった
俺、駄目だよな」

遊佐が弱ってる

今遊佐も大変な時期なんだよね

それに加えて今日の事件

八つ当たりしたくなるのも当たり前だ



お互いにもう少し相手を気遣えたら今日は喧嘩してなかったのかな??

なんて、私、仮定はあまり好きじゃないや

「仕方ないよ
だって遊佐、係長昇格がかかってるんでしょ?
遊佐も精神的に参ってたんだよね??」



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