天邪鬼
「ちぃ、昇格のこと知って...?」
「うん、この間課長さんから電話があって聞いてた」


私の答えに遊佐はさらに泣きそうな雰囲気で抱きしめる腕の力を少し強くした

「千草ぁぁ」

情けない声

遊佐の顔は見えないけど、声は確実に泣いていて私まで泣けてきた

「本当に自分が情けない...
ごめんな千草」

「私もごめん
遊佐が不安になってること気付けなくてごめんなさい」

二人でひとしきりワンワン泣いて

「遊佐ぁぁ」


と連呼していた私は端から見るとかなり滑稽だろうなとどこかで冷静な私がいた



「ちぃ帰ろうか」
「うん」

でも分かりあえたから

素直に遊佐のもとに帰ろうと思えた



雨降って地固まる...かな?


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