冷酷男と変人数名
階段を上がる足音が聞こえて来る。
窓の外からは、鳥のさえずりやら朝の喧騒やら―
「兄ちゃん?起きたのー?」
妹の声に、俺は完全に目を覚ました。
枕元の目覚まし時計は早朝六時を知らせている。
セットしたよりも30分早い。
「夢か…」
どんな夢見てたんだっけ。
ああだめだ、思い出せない。
けど、思い出さないほうがいい気がする。
「兄ちゃん、起きたんならついでに朝ごはん食べちゃってよ」
「あー、わかった」
扉の向こうから妹の声が掛かる。また階段を降りる足音。
俺は寝巻のままリビングへ降りた。