冷酷男と変人数名
ダイニングテーブルの上に真新しい花の刺さった花瓶を設置しながら、妹が俺を一瞥する。
「今日は早いね」
「ん。何か変な夢見てた」
「うん、うなされてたもんね」
間髪入れずに言われた。
「え、俺うるさかった?」
「かなり。超迷惑」
「ごめん…」
来月で15になる妹の加奈子は、現在絶賛反抗期である。
他よりはマシだとは思うが。
それにしても、うなされるほどの夢とは。
なんだったんだろうか。
洗面所で顔を洗って歯を磨いた。
再びリビングへ戻る頃には朝食が出来上がっている。
それを食いながら、壁のカレンダーを見た。
一週間後の日付にシールが貼ってある。
加奈子ご用達のシールだ。
「来週なんかあったっけ。あ、母さん達が戻る日?」
「ちがーう。彼氏とデートの日!えへへ」
なんと。