冷酷男と変人数名
「義人兄ちゃん、これ弁当ね」
「おう。サンキュー」
「いってらー」
加奈子に見送られ、家を出る。
こんな場面を学校の奴らに見せたら、俺が冷酷でないことを
わかってくれるのだろうか。
無駄なことを考えながら、
今日も徒歩で学校に向かう。
鞄から携帯ゲーム機を取り出した。
昨日の女子の顔を思い出す。
「今日、来るかな……」
来ればいいな。
名前聞いてないし、何より俺の大切な同志だ。
逃がさねーぞ、絶対。