美しい花−先生と秘密な関係−【上】
自分から誘ったくせに。

口止め料をと言い出したのは先生。あたしはそれをのんだだけ。



あなたの思惑があたしには分からない。いったい、なにが目的なのよ?




あたしは軽く先生に向かって微笑むと、黙って部屋を出た。




ほんとに屈辱的だわ。

あたしの体を見ても反応を示さなかっただけじゃなく、今、先生の部屋を出たあとでもあたしの頭に居座る先生がムカつく。




あたしはさっき先生と待ち合わせした公園まで来た。


桜の木に蕾が見える。あと一週間ほどすれば少しずつ咲き始めるんだろう。



あたしは深いため息をついて、また歩き始めた。



頑張ろう…あたしは大丈夫。




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