美しい花−先生と秘密な関係−【上】
「今日は会えないかと思ってました」


「なんで?」


「だって昨日も来てくれたから」


「毎日アザミに会いたいんだよ?」





本人は甘く囁いてるつもりでも、あたしは何も感じない。


あくまでお客様。

お客様は大事。

お金と同じように。





「うふっ、テツヤさん恋する高校生みたい」


「からかうなよ」


「からかってません…照れ隠しです」




あたしは本当に照れくさいような表情をして見せる。


テツヤさんも満足そうに笑顔を見せてくれた。




アザミの仕事はお客様を楽しませること。


お客様によって、ただ世間話をする人もいれば、テツヤさんのように甘い空気を味わいたい人もいる。


他にも、ただ騒ぎたい人や、勘違いして本気になる人もいる。





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