10円の魔法



「俺と違って、妃乃は鈍感だよね」




「……っ!!」


壁に押し付けられた。



うちと巧の立ち位置が逆転した。





「俺だって、男だし。


幸成だって、男だよ?」




「……知ってるけど…?」



「――……!!

ははっ…、調子狂うや」





巧は手を離すと、踵を返した。



「ちょっ、一緒に教室行こー」




巧の背中を追いかけて、一緒に教室に向かった。




< 22 / 44 >

この作品をシェア

pagetop