10円の魔法



「それ、きっと必要になるから♪」




「―――??」


そう言った未来は、どこか嬉しそうで、でも心からの喜びではなさそうだった。





――教室を出た2人が行き着いたのは屋上。




今は立入禁止になっているが、扉の鍵は簡単に開いてしまう。






「お前さぁ…」


先に口を開いたのは巧だ。




「いいかげんにしたら?

お前分かりやすすぎ。
誰がどう見たって妃乃ラブにしか見えないわけ。


早く言ったら?」



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