大きなしろねこと小さなしまねこ
しまネコは、塀の上で少しの間、考えました。
そして、小さな瞳をくりくりさせて、あたりを見渡してみました。
けれど、どこにもしろネコの姿は見当たりません。
しまネコは、塀の上で、また少しの間、考えました。
そして、小さな声で、「にゃあ」としろネコを呼んでみました。
けれど、どこからもしろネコの声は返ってきません。
しまネコは、塀の上で、今度は長いこと、何かを考えていました。
頭の上にあったお日様が、西のお空に沈むまで、考えていました。
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