大きなしろねこと小さなしまねこ
その4
大きなしろネコは、大きなお屋敷の中で暮らす日々が続きました。

毎日、決まった時間にご飯をいただき、夜はふかふかのベッドで眠りました。
お外に出られなくなってしまったことの他は、何も変わらない毎日でした。

しかし、ただひとつ変わったことと言えば、お部屋の小さな窓の下に行き、
ぽかぽかのお日様が西のお空に沈むまで、お外の景色を眺めていることでした。

ある時は、いつかしまネコと初めて出会った日のように、
食べきれずに残していたご飯を窓の下におきました。
そして、しろネコはその側に丸くなり、長いこと何かを考えていました。

またある時は、いつか、しまネコがお屋敷に忍び込んだ日に、
一緒に遊んだボールのおもちゃを窓の下におきました。
そして、しろネコはその側に丸くなり、長いこと何かを考えていました。

雨の日も、風の日も、ぽかぽかお日様の日も、
毎日毎日暗くなるまで、お部屋の小さな窓の下にいました。
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