大きなしろねこと小さなしまねこ
そんなある日のこと、

小さなしまネコは、大きなしろネコの住むお屋敷に入り込みました。
大きなお屋敷の残飯をあさりに来たのです。
しまネコは、お屋敷の中をご飯を求めててくてく歩いてゆきました。
その時、大きなしろネコは、お屋敷のお庭でご飯をいただいている所でした。
お肉やお魚がやわらかくくだかれ、トロッとしたソースがかかっていました。
それは、しろネコの大好きなご飯でした。
しかし、あまりにも大きな器にたくさん盛られているので、
いつもしろネコは食べきれずに残してしまうのでした。
そこに、しまネコがやってきました。

大きなしろネコと、小さなしまネコは見つめあいました。

大きなしろネコは、自分以外のネコを見るのは初めてでした。
小さなしまネコは、こんなに大きなネコを見るのは初めてでした。

しばらく見つめあったあと、小さなしまネコが言いました。
「そのご飯はおいしいの?」
それから、ややあってから、大きなしろネコは答えました。
「うん、おいしいよ。」
そして、また2匹は見つめあいました。
< 2 / 20 >

この作品をシェア

pagetop