大きなしろねこと小さなしまねこ
その2
しばらく経ったある日のこと、大きなしろネコがいつものように、ぽかぽかとお日様のあたるお気に入りの場所でお昼寝をしていると、大きなお屋敷の広いお庭の高い塀の上を、てくてく歩いているあの小さなしまネコを見つけました。

「やぁ。」

しろネコは短く声をかけてみました。
しまネコは、ぴくんと耳を動かし、足をとめ、しろネコの方にくるりと振りむいたので、しろネコは言いました。
「お散歩かい?」
しまネコは、小さな瞳をくりくりさせて言いました。
「そうだよ。今日は天気がいいからね。」
しろネコは、しまネコの歩く塀の外の世界を見てみたいと思いました。

そして、いつかのように少しの間見つめあったあと、
しろネコはストンとお昼寝用のベッドから降り、
スタスタと塀の上のしまネコに近づいていきました。

しまネコは、しろネコが庭の木をつたって塀の上に登ってくるのを見届けて、
ゆっくりとまた塀の上を歩き始めました。

塀の上から初めて塀の外を見渡したしろネコは、
灰色の長く続く道路や、遥か向こうの方までデコボコと続く、家々の屋根を眺めました。
しまネコは、そんなしろネコの姿を見て、とても不思議に思いました。
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