僕とあの子の放課後勝負

「よぉ、雄大!今朝は猫でも助けたか?」

席に着いた瞬間、京平が飛びつかんばかりの勢いで僕に突進してきた。こいつが切り出してきたネタは、ええと、何年前の話だったかな。

「そんな馬鹿な。ただ、寝坊したんだよ」
「ちぇ。あぁそうだ、そんなことより、今日だろ?画材買いに行くのって」
「うん、まぁ…そうだけど」

にや、と嫌な笑いを浮かべつつ、京平は僕を冷やかした。しかも、親指をぴんと立てながら。

「頑張れよ!」
「うるさい!」

少し大きな声を出せば、周りのクラスメイトがこちらを見る。正直あまり、良い気はしない。

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