僕とあの子の放課後勝負
二時限目は、美術。合唱祭で歌う自由曲のイメージを絵にすると言う何とも難しい課題を与えられ、苦戦しながらも何とか下書きは描き上げた。まだまだ先の放課後が楽しみだけど緊張して、手が震えて、美術部のくせに全く上手く描けなかった。
今は四時限目が終わって、昼休み。
京平と二人で机をぴったり合わせ、弁当を広げる。周りは女子ばかりだ――黒板の近くには、あの雨月さんもいる。
「なぁ、雄大。今日は掃除当番、抜けるんだろ?」
京平は僕に、もぐもぐと忙しなく口を動かしながらそう尋ねてくる。
「うん。悪いな」
「良いって。竹宮と水野もだろ?あいつらは三組だから関係ないけど」